中学3年生の春休みの過ごし方②ー読書
- 家庭教師のMIC
- 2022年3月13日
- 読了時間: 3分
更新日:2022年10月9日
先週書いた『中学3年生の春休みの過ごし方』を見直してみて、肝心なことを書き忘れていることに気づきましたので、補足します。
受験後から高校入学までのこの時期は、今しかできないことをしてみた方がよい、と私は思っています。学習をゼロにするのは問題ですが、受験が終わって疲れている時にまた勉強ばかりしていると、高校に入ってから息切れしてしまうからです(最近は高校を中退する生徒が少なくありません)。
また、勉強ばかりしていると、学習の目的が受験だけになってしまい、合格後には学習した内容をすっかり忘れてしまったり、あるいは学校のブランドで人間の価値が決まると勘違いしてしまうこともあるでしょう。
そんな考えは高度経済成長期の、「いい会社」に入れば一生安泰だという固定観念で、現状とはかけ離れています。今の時代は、自分の人生の価値は自分で決めることが大切になっています。だからこそ自分の人生を切り拓くために学習が重要なのです。
さらに社会体験が少なければ、学習内容を社会生活で応用できなくなってしまいかねません。あくまでも学校での学習とは社会生活を送る手段であって、人生の一部に過ぎないのです。
ですので、休んだり遊んだりすることも重要です。つまり、心身をケアすることを忘れてはいけません。あのイチロー選手は、試合時間の2倍の時間を体のケアに使っていたそうです。

その「休んだり遊んだり」の中で触れるのを忘れていたのが、「読書」です。普段読書をしていない生徒は、この機会に読書に挑戦してみてはどうでしょうか。
現代社会は文字でのやり取りで成り立っています。ですので普段から文章に慣れておけば、多くの知識を得ることができ、社会生活が楽になります。それだけでなく、好きな本に出会えれば、読書は新たな趣味にもなり、人生の楽しみも増えます。

では、普段読書をしない生徒は、どのような本を読めばよいのでしょうか。
導入としては、自分の好きなことに関わる本がよいでしょう。野球でも宇宙でもゲームでもユーチューバーでも構いません。とりあえず「本」というものを手に取って、「読み切った」という達成感が大切です。達成感があれば、次に読書をする際のハードルが下がるでしょう。
また、ドラマや映画などを観て、すでに筋書きを知っている本は、かなり読みやすいです。それだけでなく、原作と映像のストーリーの違いが分かって面白いです。
それなら具体的にどのような本がよいのかを紹介してくれ、と言われると、私はかなり困ってしまいます。というのも、私が普段読んでいる本は、中学生向けではないからです。そこでプロの知識をお借りします。
どんな本を読んだらよいのか全く見当がつかない生徒は、国語の教科書で紹介されている本の中から、自分の趣味にあう本をまず読んでみて下さい。そこで紹介されている本は、各学年の学習進度に適切な本を紹介しています(こういう各学年向けの本を書いたり、それを選び分けて紹介するのは、まさにプロの仕事だと感心します)。
文章読解が苦手な生徒なら、中学1年生の国語の教科書で紹介されているものを読んでみたらよいでしょう。
なお、現代社会で好まれる速読や多読は、必ずしも良い読書方法とは言えません。『思考の仕方もまた多様』で書きましたが、ゆっくりじっくり読むことは、深く広く物事を考える上で大切なことです。詩歌を速読することほど意味のないことはありません。

読書以外にも、例えば映画鑑賞、博物館・美術館の訪問など、普段中々できないことに挑戦してみるのもよいと思います。
一見学習に関係ないように思えることが、実は学習に深く関わっていることも、非常に多いです。
ナチスドイツはピカソらの抽象芸術を嫌悪し、「退廃芸術展」を開いて排斥しました。実は芸術も科学技術や哲学と深い関係を持っており、歴史の象徴となっています。

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