2021年公開の、教育に役立つ映画
- 家庭教師のMIC
- 2022年1月1日
- 読了時間: 3分
更新日:2022年10月9日
あけましておめでとうございます。
昨年度私が見た映画の中で、教育に役立つ映画を紹介したいと思います。
①『陶王子 2万年の旅』
人類史における陶磁器の発展をまとめた映画です。人類史を考える上でも非常に勉強になりますし、日常で使っているコップから宇宙船に至るまで、現代社会での陶磁器の存在を教えてくれます。
②『モンテッソーリ 子どもの家』
イタリアで始まったモンテッソーリ教育を紹介した映画です。子供をいわば放任することによって、その好奇心を最大限に引き出すことで、学習効果を狙ったのがモンテッソーリ教育です。親や指導者が子供の教育において果たすべき役割を、ある意味肩の荷を下ろさせてくれる形で示唆してくれます。
③『旅立つ息子へ』
自閉症スペクトラム障害の息子とその父との、それぞれの成長を描いた映画です。息子のウリを演じたノアム・インベルさんは、親御さんが施設で働いていたことから、障害を持っている人々と幼少期から接していたようで、真に迫る演技をしていました。
④『僕が跳びはねる理由』
自閉症の作家である東田直樹さんが13歳のときに自閉症の人々の思考や感情、記憶について執筆した書籍を基に製作されたドキュメンタリー映画です。世界各地に暮らす自閉症の少年・少女たちの姿や家族の証言から、自閉症の人々の内面を映像や音響効果によって表現しています。
自閉症の人々を扱った映画の多くが、自閉症の人々を客観視しているのに対して、本編は自閉症の人々の世界の認識を、主観的に描こうとしています。ちょっと残念に思うのが、本編は日本ではなく、イギリスの映画だということです。
⑤『あこがれの空の下 教科書のない小学校の一年』
教科書を使わないユニークな教育で知られる東京・世田谷区の私立和光小学校を描いたドキュメンタリー作品です。日本でこのような児童の自主性を重んじ、型にはまらない教育をしている学校があったとは、驚きでした。教育関係者必見の作品です。
⑥『わたしはダフネ』
母親を亡くしたダウン症の娘と、その父を描いた作品です。単に、健常者が与えているつもりが与えられている、という構図なだけでなく、障害者に配慮しつつも偏見無く接することが、障害者を「与える」存在にするのだな、と感じさせてくれる作品でした。
⑦『SEOBOK ソボク』
余命宣告を受けたエージェントが、不死のクローンの護衛をするというアクション映画です。アクション映画ではあるのですが、深い生命倫理の問題を含めています。高校の倫理の教材で扱ってもよさそうです。こういう深さを持たせるところが、韓国映画の上手さです。
⑧『MINAMATA ミナマタ』
水俣病の報道写真を撮ったユージン・スミスを描いた作品です。必ずしも事実だけに基づいた作品ではないですが、当時の水俣病の実態や、公害をめぐる日本の政治・経済・社会の状況を知る手掛かりとして、良作です。
⑨『グレタ ひとりぼっちの挑戦』
スウェーデン出身の環境活動家グレタ・トゥーンベリさんを描いたドキュメンタリー映画です。地球温暖化問題の重大性を考える上でも良作ですが、それ以上に自閉症スペクトラム障害(高機能障害)の児童生徒がどうすれば居場所を作ることができるのかを考える上でも重要なヒントを与えてくれる作品でした。
⑩『王の願い ハングルの始まり』
韓国ハングル創生をめぐる作品です。本編を見ると、文字というのは、様々な政治や社会の力学で作られていることが分かります。また言葉と文字が、15世紀においてすでに国際的な交流と権力の葛藤の中に置かれていたことも理解できます。
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