発達障害傾向の児童生徒の保護者の方へのお願い
- 家庭教師のMIC
- 2021年5月4日
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発達障害傾向がある児童生徒の指導をする際に、私が気を付けていることの1つに、「発達障害」に捉われない、ということがあります。
無論発達障害の特徴を把握することは大切です。しかし、発達障害に「だけ」注目していると、大切なことを見逃してしまいます。
そもそも人の個性は人によりけりであって、千差万別です。ですので、発達障害の性向は、多かれ少なかれ誰しもにあります。
しかし、社会では「ふつう」という規範の中で生きることが求められます。その「ふつう」を求める社会で生きていく際に問題が生じれば、個々人の特性は「障害」と見なされます。社会に適応できていれば、同じような特性を持っていても、「障害」とは見なされません。
ここで考えていただきたいのは、「問題」というのは必ずしも個々人の特性から生じるものではない、ということです。社会の方が問題であることもあります。
ところが、一旦「発達障害」というレッテルを張られてしまうと、何でもかんでも当事者の児童生徒に「対処」しなければならない、と考えられてしまいがちです。つまり、本人の問題でないことまで、本人の問題にされることも少なくないのです。
発達障害の問題が怖いのは、ここです。「ふつう」でないためにイジメの対象になってしまうこともあります。あるいは「問題児」とレッテル張りされているために、スケープゴートにされて悪者扱いされることもあます。
普段から「ふつう」になれずに息苦しさを感じている当事者の児童生徒は、自己肯定感を充足させるために、道化師のように明るく振舞って注目を浴びようとしたり、反対に誰かをイジメることで、優越感を得ようとしたりすることもあります。ところが、根本的な自己肯定感は充足されないため、不登校等の問題につながることもあります。
つまり、「発達障害」という先入観に捉われていると、精神的疾患等の副次的な問題を見逃しかねません。ですので、時折「発達障害」の先入観から離れて、本人や周りの状況を客観的に観察して頂くようにお願いいたしたいです。
学習をしているかどうかや、成績の高低の以前に一番大切なのは、児童生徒の心身の健康です。心身の健康が損なわれていれば、学習どころではありません。

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