発達障害が増えるわけ②:環境の変化
- 家庭教師のMIC
- 6月2日
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前回は、医学の進歩によって発達障害が「発見」されるようになったことが、発達障害が増えた理由をであることを指摘しました。
ただ、同時に発達障害の研究が進むにつれて、実際に発達障害が生じる原因が、現代社会に増えていることも明らかにされつつあるようです。
発達障害は、遺伝子と環境要因との相互作用により、子どもの脳内伝達物質が不活性化して生じる、というのが、現在の研究の暫定的結論のようです。
今回取り上げたいのは、この「環境要因」です。「環境要因」とは、子どもの父母がおかれた環境です。
つとに指摘されるのが、晩婚化が発達障害を生じる可能性を高めるということです。
また、エビデンス不足のようですが、父母の薬の服用や喫煙、飲酒なども、発達障害の原因になっていると指摘する研究者もいるようです。
それだけでなく、様々な化学物質やマイクロプラスチックのような、元来は自然界に無かったものに父母が晒されることにより、子どもが発達障害になっている「可能性」を指摘する研究者もいます(エビデンスは不足しているようです)。
これらの要因について、私はしつこく「エビデンス不足のようだ」と書いています。どうも、発達障害についての研究はまだ発展途上なので、不確定のことが多いようです。
ただし、人類が生きている環境は、元来のものとは大きく変化していることは間違いありません。
それならば、昔は存在しなかった化学物質やストレスが人体に影響を与えている事実を考えると、それらが子の世代にも影響を与える可能性は否定できないと考えるべきでしょう(「否定できない」というのは、確実にそうなるわけではないが、そうなる可能性もあって不思議ではない、という意味です)。
つまり、現代社会で新たに生まれ続けている化学物質やストレスに父母が晒されることによって、子どもの発達障害が増えている「可能性」があっても何ら不思議ではない、ということです。
ただし、時代が進むにつれて本当に発達障害の児童生徒が増えているのかは、確認することは不可能です。なぜなら、昔は発達障害についての研究も理解も進んではいなかったからです。
あくまでも、人間の生活環境やライフスタイルの変化に伴って、発達障害が増えていたとしても不思議ではない、と指摘するに留めるまでです。

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