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極論に流されないことの大切さ

  • 執筆者の写真: 家庭教師のMIC
    家庭教師のMIC
  • 2022年6月12日
  • 読了時間: 3分

更新日:2022年10月9日

現在、20年ぶりの円安ドル高水準にあります。つい半年前までは1ドル110円くらいだったのが、1ドル130円になりました。半年前に10,000ドル=1,100,000円を買っておけば、現在は1,300,000円と、持っているだけで20万円の値上がりをしました。


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この円安ドル高は、コロナ禍による生産不足や、経済回復で日本が遅れていること、さらにはロシアのウクライナ侵攻による世界経済の不安定化を「きっかけ」にしています。



しかし、これらの諸要因はあくまでも「きっかけ」に過ぎません。なぜ日本の円が売られて安くなっているのか、というと、最大の要因は日本の中央・地方の借金にあります。



現在日本の中央政府の借金は1000兆円を超えています。人口1億人で換算してみると、1人当たり1000万円強です。この多額の日本政府の借金のために、円に対する信用は必然的に落ち、円の価値は下落してしまいます。多額の借金をしている人にお金を貸したくないですよね。



これに追い打ちをかけているのが、インフレーションに対応するための世界的な金利引き上げです。日本はインフレ対策に金利を上げると多額の借金がさらに膨らむことになるので、金利を上げられません。その結果、円を持っていても金利が付かないことから、円は売られてどんどん安くなります。



結果的に日本で起きているのは、物価が上がるのに賃金が下がる、というスタグフレーションです。


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少なくとも5年前から、良識的な経済学者は、このように日本のかさむ借金により円安とインフレが起きることを警告していました。つまり、現在のスタグフレーションは必然的な結果だったとも言えます。



では、なぜこのような警告は無視されたのでしょうか。



その大きな理由の一つとして、日本政府の借金に対する極端な議論があります。



いわゆる「アベノミクス」において、日本政府は異次元とも言われる金融緩和政策をとり、借金を顧みない大規模な財政出動を行いました。その際に反対派は、「日本が破産する」という極論でこれに異を唱えました。



「日本が破産する」という議論を論破するのは簡単です。国債の多くは日本国内で保有されていることや、日本政府には国内外に多くの資産があるので、破産はあり得ない、という反論ができるからです。



「日本は破産する」と「日本はどれだけ借金しても大丈夫だ」という極論での議論によって見過ごされたのは、円安という必然的結果でした。


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実のところ、中学校の公民で学ぶ経済を知っていれば、借金を重ね続けている日本でインフレが起きることは、予測できました。



ところが人間はyes or noの二元論を好みます。なぜなら、自分で考える面倒が無くなるからです。そのため、極端で分かりやすい(分かった気にさせてくれる)議論に流されやすい傾向があります。さらに厄介なのは、現状の自分に都合の良い議論や、大きく強いものの論調に盲従し、自分を安心させたがる傾向もあります。



そのために、人は往々にして何の根拠もない希望的観測にしがみついてしまい、気が付いた時には手遅れな結果を招くことさえあります。



だからこそ、学校で学んだ教科は大切です。得られた知識を軸にして、自分なりに思考してみれば、こうした分かりやすい極論のおかしな点に気づくことができますので、自分の生活を守る対策を生み出すこともできます。



学校で学ぶことというのは、決して受験のためだけにあるのではありません。学ぶ、ということは、第一義的にはあくまでも、自分の人生を生きるための手段を身に付けるためにある、ということを忘れないで欲しい、と思います。


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