教員の過労は百害あって一利なし
- 家庭教師のMIC
- 2021年4月18日
- 読了時間: 2分
近年教員の過労が問題になっています。上からの要求も、保護者からの要求もともに強まっているからだと思います。
現在の教育「制度」は完全に疲労していて、抜本的な改革が必要です。しかし、児童生徒を企業の「即戦力」に鍛え上げようという機運は高まりこそすれ、多様性を重視するような制度改革を行おうとする機運は、国レベルでは全く起きていません。
その結果、何事も現場の教師に押し付ける事態になってしまい、真面目で几帳面な教師から過労で倒れたり、離職したりする事態になっています。
教師の過労は、教師個々人の問題としては、大人ですから、転職するなりなんなり身の振り方は自分で考えてください、で済みます。
しかし、教師の過労問題は、児童生徒の教育にも悪影響を及ぼしています。
第一に、教師不足が生じています。そのため、個々の学校によっては取り入れられていた習熟度別のクラスや、個別指導などは行いにくくなっています。
第二に、過酷な労働条件に追い込まれた教師は、児童生徒にも過酷さを求めるようになります。だれでもブラックな環境に身を置くと、ブラックな条件を当然視し、また自分の境遇を正当化するために他人にもブラックな環境を提供するようになります。
第三に、過労に追い込まれた教師は、精神的に不安定になり、突然怒り出すなど、一貫した姿勢で指導を行えなくなります。こうした状況では児童生徒は怯えて教師の顔色ばかり窺う学校生活を送り、ストレスをためていきます。これは一時期流行ったアダルトチルドレンが生まれる状況に似ています。
新たに物事を始める際には、これまでやってきたことを削ることが必要です。しかし、組織は物事を止めることの方が難しいです(とりわけ日本は削る、ということが苦手な文化のようです)。
ですが、学校の現状を見ると、止めるものは止める、とはっきり決断しないと、教育が全て崩壊する瀬戸際にあるように思います。
残念ながら上の方は、業務削減を率先する気はないようです。ですので、保護者の皆様におかれましては、機会があれば、不要な業務は減らし、教師が精神的なゆとりをもてるような環境づくりの意見を、協力して出していただければ、と思います。

コメント