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大学進学を考える際に大切なこと(修正再掲)

  • 執筆者の写真: 家庭教師のMIC
    家庭教師のMIC
  • 2023年3月26日
  • 読了時間: 4分

大学進学を考えている高校生の方々のほとんどは、進学理由に「就職」を挙げていると思います。


確かに、医師や薬剤師などの特殊技能(≒資格)を必要とする職種に就きたいと考えている人は、その道に進むには特定の学部に入るしかありませんから、その学部を目指しましょう。

しかし、漠然と「いい会社に入って安定した人生を過ごしたい」と考えて、「就職率」だとか「就職への強さ」で大学を選ぶことには、「待った」と言いたいです。


「就職率」や「就職への強さ」を謳う大学は、要するに「就職」を掲げて人集めをしたいだけです。本当に内実が伴っている大学は、「就職率」を宣伝しません。 また、大学は「就職率」を謳っても、就職後の離職率は調査しません(できません)。つまり、就職後の人生は大学に保障されるわけではないのです。


加えて、「東証プライム(東証一部)上場企業に就職」という文句が誇らしげに語られてきました。ですが、「東証プライム上場」というのは、企業の資産価値を指しているのであり、労働条件を示しているのではありません。


さらに、人気の就職先の企業が現在の労働条件を将来も保てる保障はありません。現在もAI革命に加えて、気候変動やコロナ禍の影響により、個々の企業の業績や労働条件は一変しています。


それにも関わらず、いまだに大学進学は、どの企業に就職すれば一生安定でいられるのか、という昭和期の終身雇用を前提とした就職の考慮によって決められる風潮が強いです。


実際には一生安定の状況というのは、誰も保障などしてくれません。そういう人生を歩めたら、それには偶然が十分条件として必要です。そもそも生きている以上、常に病気や怪我のリスクを負っています。場合によってはどんなに条件の良い企業に就職したとしても、離職しなければならない場合とてあります。


就職はもちろん大切なことです。しかし、それだけを考えて近視眼的になり、自分自身の人生をどのように歩むか、を考えていないと、就職時の前提条件が崩れた時に、対応できなくなります。

ではどうするべきでしょうか。 結局は今をしっかり生きて学ぶことに尽きるのではないでしょうか。なぜなら将来がどうなるかなど誰にも分かりませんし、何が役に立つのかも予測できません。「今役に立つ」「今賞賛されている」もの「だけ」にしがみついていると、将来役に立つものが何もなくなってしまう可能性とてあるのです。

その上でもう一度大学の進学先を考えると、無論偏差値や学費も大切で忘れてはいけませんが、やはり自分が学びたいと思ったことを第一に考えて選ぶべきだと思います。

その際に、進学希望先の大学教員の本を読んでみることをお薦めします。現在は大学も様々な情報発信をするようになっていますから、進学希望先の大学教員についての情報も入って来ます。

日本の大学教員は、教育ではなく研究をしたくて大学にいますので、教育の専門家ではありません。

それなのに最近の教員は、学生からの評価を気にしなければならなくなった一方で、「役に立つこと」ばかり教えるように要求されているので、自分自身の研究を学生に披歴できるような授業は減っています。ですので、その教員の「持っているもの」のうち、授業で「教えてもらう」ことから得られるものはほんの僅かに過ぎません。 大学教員が「持っているもの」のうち、一番貴重なものは、その研究にあります。ですから、高校生のうちに、気になった教員の本を読んでおき、「学び取る」姿勢で大学に向かって行って欲しいです。その方が大学受験への意欲も湧きますし、大学進学後も学問のモチベーションが湧きます。


加えて、本当は自分の研究を知ってもらいたがっている教員は、「学び取る」という姿勢の学生に対してはより深く面白いことを示してくれるでしょうから、そういう学生は授業で一層多くのことを学べるでしょう。



大学は「教えてもらう場所」だと思っていると、無駄な4年間(あるいはそれ以上)を過ごしてしまいます。大学は、自分で学び取りに行く場所です。

そうした姿勢というのは、就活でも就職後でも、人生全般において必要になってくるのではないかと思います。誰かに人生を保障してもらおう、と思っていると、その「誰か」がいなくなったり、変節した時に、全てが崩れ去りかねません。



 
 
 

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