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大学への進学を考える際の心構え

  • 執筆者の写真: 家庭教師のMIC
    家庭教師のMIC
  • 2020年10月5日
  • 読了時間: 4分

大学進学を考えている高校生の方々のほとんどは、進学理由に「就職」を挙げていると思います。

確かに、医師や薬剤師などの特殊技能(≒資格)を必要とする職種に就きたいと考えている方は、その道に進むには特定の大学や特定の学部に入る以外に選択肢はありませんから、迷わずにその方向を目指して努力しましょう。

しかしそうではなく、漠然と「いい会社に入りたい」と考えて大学や学部を選ぶことには、「待った」と言いたいです。

多くの大学が「就職率」を謳っています。しかし、就職後の離職率は調査されることはありません(不可能です)。つまり、大学は就職後にどのような人生を歩めるのかを保障してくれるわけではないのです。


また、就職した会社のその時点での労働条件が良いとしても、その労働条件は永遠に保障されるわけではありません。2010年代のメガバンクの凋落がその最たるものです。とりわけ現在は、AI革命に加えて、気候変動やコロナ禍の影響により、個々の企業の業績や労働条件が激変し続けています。

つまり、漠然と「いい会社に入りたい」と思って進路先の大学や学部を決めても、終身雇用制度がほぼ崩れている現在では、一生安定の状況を誰も保障などしてくれません。


ですから、目先の就職「だけ」に捉われて近視眼的になり、「学ぶ」ということ自体の価値を見失うと、就職時の前提条件が崩れた時に、右往左往して対応できなくなります。

ではどうするべきなのでしょう。結局は今をしっかり生きて学ぶことに尽きるのではないでしょうか。「学ぶこと」というのは、生きることに直結します。それを「就職のため」に矮小化してしまうと、もっと広い「生きること」のための「学び」を忘れてしまいます。

そう考えると大学の進路先というのは、無論偏差値や大学の環境だけでなく、やはり第一に自分が学びたいと思ったことを基礎に据えて選択すべきでしょう。

現在は大学も様々な情報発信をするようになっています。ですので、ホームページやパンフレット、説明会やオープンキャンパスを通して、積極的に情報収集をしてみて下さい。そうすると、偏差値や就職実績だけでは分からない、大学の様々な面が見られるようになります。



さらにそこから一歩踏み込んで、進学希望先の大学教員の雑誌や新聞の記事、できれば本を読んでみることをお薦めします。得られた様々な情報から、興味関心を持てる大学教員も見つかるでしょう。

しかし日本の大学教員は、教育ではなく研究をしたくて大学に所属しています。ですので、その教員の「持っているもの」のうち、講義で「教えてもらう」ことから得られるものはほんの僅かに過ぎません。教員が「持っているもの」のうち、一番重要なものは、その研究にあります。

ですから、高校生のうちに、気になった教員の文章を読んでおき、その教員から「学び取る」姿勢で大学に向かって行けば、教員はそうした「学び取る」姿勢の学生に対しては、講義の中でのものよりも深く面白いことを披歴してくれるでしょう。さらに、一人の教員から深く学び取ることができれば、連鎖的にほかの教員からも学び取ることができてきます。



同時に、あらかじめ大学教員がどんな研究をしているのかを文章で知っておけば、大学進学後にどのようなことを学べるのかを垣間見ることができるので、大学受験への意欲も、大学進学後の学問のモチベーションも湧きます。

大学進学を目指すに当たっては、「教えてもらう」という受け身な姿勢ではなく、「学び取る」という説教的な姿勢で臨んでみて下さい。「教えてもらう」という姿勢よりも、「学び取る」という姿勢の方が、当然ながら大学4年間で得られるものは多いです。


そうした姿勢というのは、就活でも就職後でも、人生全般において必要になってくるのではないかと思います。誰かに人生を保障してもらおう、と思っていると、その「誰か」がいなくなったり、変節した時に、全てが崩れ去りかねません。

私は、必死に受験勉強をして某旧帝大に合格しても、大学進学後は学びに受け身な姿勢で遊んでばかりいてました。実に後悔しています。その原因は、偏差値ばかり見て大学受験をし、大学進学後も「誰かに用意してもらった何か」をして満足していたためです。

なので、高校生には同じような後悔をしないように、「学び取る」ことを目的に大学を目指してもらいたいです。



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