大学への内部推薦で高校を選ぶことはリスクが大きい
- 家庭教師のMIC
- 2023年6月11日
- 読了時間: 2分
「わが校に入れば、そのまま大学に進学できます」という売り文句で生徒の募集をする高校があります。内部推薦でいわゆるエスカレーター式に大学に進学できるのですから、魅力に感じる生徒や保護者の方も多いでしょう。
しかし、この内部推薦の制度は、生徒にとって非常にリスクが大きいです。
第1に、内部推薦前提で当該高校に入ってしまうと、大学に入ってからできることはかなり限定されます。なぜなら、大学の学部や講義内容、講義のレベルは、進学先大学に規定されるので、その進学先大学の中からしか選べないからです。
ですので、大学でやりたいことが見つかっても、進学先大学でその「やりたいこと」をさせてくれる態勢が整っていなければ、「やりたいこと」ができなくなってしまいます。

第2に、内部推薦の学生は、他の高校から進学してきた学生よりも学力が劣る場合が多いです。その結果、大学側が求める講義のレベルについていけずに、留年を繰り返したり、場合によっては退学を余儀なくされたりする場合も少なくありません。
他の大学から進学してきた学生は、推薦であっても一定の競争を経て大学に入ってきていますので、ある程度の学力を有しています。一般受験の学生ならば、なおさらです。
ところが内部推薦には、大した競争原理が働いておらず、場合によっては高校側が「大学進学は決まっているのだから、部活だけやっていればよい」という姿勢を取り、生徒の学力を向上させる努力を怠ることさえあります。
しかし、高校は大学進学の保証を謳っていても、大学進学後の学生生活の保証はしません。学力が足りずに留年を繰り返したり退学になっても、高校はなんの責任も取ってくれません。

ですので、進学先の高校を選ぶ時に、大学への内部進学は当てにしない方が賢明です。もし内部進学をするのであれば、自分の希望する学部学科にトップで選ばれるくらいの気持ちと実績を持っていないと、大学生活が辛いものになります。
また、大卒だったら就職に有利だから、どの学部でもいいから内部進学で大学に行ければよい、という考えは安易でかなり危険です。AIが進化するこれからの時代に一番不要になるのは、中途半端なホワイトカラーです。AIは肉体労働ではなく、頭脳労働に取って代わるものです。
ですので、「大卒」という文句に捉われて、安易に内部進学に惹かれて高校を選ばない方が賢明です。内部進学で高校を選ぶ場合には、「安心だから」という消極的な理由でなく、そこでやりたいことがある、という積極的な理由で選びましょう。
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