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外国語をマスターするには?

  • 執筆者の写真: 家庭教師のMIC
    家庭教師のMIC
  • 2022年5月26日
  • 読了時間: 3分

更新日:2023年1月14日

外国語をマスターするにはどうしたらよいのでしょうか?



その答えは、「そんなことは無理です」、となります。



私は日本語ネイティブです。しかし、日本語をマスターしているなんて、とても言えません。知らない言葉だって漢字だっていっぱいあります。「龜」や「薔薇」すら書けません。また、「日本語」には方言や古語も含まれます。私はアイヌ語どころか、津軽弁のヒアリングさえほとんどできませんし、万葉仮名も読めません。


↓津軽弁


1つの言語には実に様々なバリエーションが含まれています。それは日本語に限らず、どの言語とて同じことです。



ですので外国語をマスターした、などと広言している方がいたら、信用しないほうがいいです。新たな言葉を学べば学ぶほど、学んでいる言葉についても、母語についても分からないことが増えていくはずだからです。



また、外国語を学び始めた頃は、ネイティブの方は「あなたのXX語はうまいうまい」と褒めてくれますが、学べば学ぶほど、「あなたはこんな言葉もわからないの?」「勉強が足りないね」「下手になったんじゃない?」等々散々にダメだしをされます。



要するに、赤ちゃんのうちはハイハイするだけで褒められるのです。また、人間はカラスを「頭がいい」と褒めます。でも、カラスは人間より「頭がいい」とは言いません。



話を戻すと、「知る」ということは、「分からない」ことが増えるので、「知らない」ことがもっとあることを知ることにつながります。それは語学に限ったことではありません。



ふと、「知る」ことは「分からない」と「知らない」が無限に続くことにつながると思うと、「知る」ことが「マスター=完璧」につながらないので、つまらないことになるように思えてきます。



しかし、そもそも完璧に物事ができることが保証されていたら、むしろその物事は面白くなくなるのではないでしょうか。大谷翔平選手が全ての打席でホームランを打っているのだったら、周りの人々は全然凄いと思わなくなるでしょう。本人も野球嫌いになったのではないでしょうか。不成功あればこそ、成功はあるわけですから。



同じように、「知らないこと」や「分からないこと」があるから、「知る」ことにワクワクできるのではないでしょうか。



なので、最近の教育現場での英語教育には極めて違和感を覚えています。「調べる」、「考える」、「確認する」という作業がほとんどありません。



単語は等級のつけられた単語帳で暗記することが求められます。しかし、単語に等級などあるのでしょうか?そのような学習方法では、「学び」には満点があり、それにどれだけ近づいたかで優越が決まる、という錯覚を生むか、あるいは「あ~、このゲームクリアしたから、もういいや」という飽きを覚えるでしょう。



そもそも、英語のAの意味は日本語ではB、と単純化して良いのかも疑問に思っています。例えば、"affair"には「情事」という意味もあります。しかし、単語帳に載っているでしょうか。辞書にはしっかりと載っています。



辞書をじっくりと眺めないと、こういう言葉のニュアンスのズレに気づきません。さらに、辞書に載っていない言葉の含蓄もあります。



「知る」ことの先には「分からない」ことの壁があり、その結果「知らない」ことがまだある、とワクワクすること。それが学ぶということではないのかなぁ、と思います。



ですので、語学に限らず何事もを学ぶ時には、「完璧」を目指すのではなく、「分からない」に満ちたこの世界で、目の前の「知る」を達成した喜びを覚えながら、一歩一歩前に進んでもらいたいです。



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