合格実績を公表しない理由
- 家庭教師のMIC
- 2022年3月17日
- 読了時間: 3分
更新日:2022年3月18日
公立高校の合格発表も終わり、中学校・高校・大学と入学試験シーズンが今年も終わりました。受験生のみなさま、お疲れ様でした。
ところで、私は合格実績をネット上で公表するつもりはありません。その理由は、進路先も成績も、個々人によって異なって当然だと思っているからです。
学業成績は、努力だけでは説明できません。児童生徒が生まれついて持っている能力や、成長の遅速によっても異なります。
特に、障害や病気を持っている場合には、試験の成績は伸びにくい傾向があります。それは、試験というものが障害や病気が無い「ふつう」を前提に作られているからです(反対に高機能障害のように、「ふつう」の前提を跳び越す場合もあります)。
また、脳の成長速度も人によって異なります。受験時での脳の成長速度が遅い場合には、当然試験では不利になります。
さらに、進路を明確に決めている生徒の場合には、偏差値が高い学校を選ぶことが自分の希望に適っているとは限りません。
以前、模擬試験の偏差値が60を超えた生徒が、偏差値30代の大学に進学したこともあります。それは、その生徒が保護者の方ときちんと話し合って、自分の目指す進路を決定したからであって、決して消極的な理由によるものではありません。
私の担当した生徒には、いわゆるナンバースクールに進学した生徒もいます。そうした生徒はナンバースクールを目指す前提条件と意思がそろっていたからこそナンバースクールを目指したのであり、だからこそ私はその支援をしたわけです。
一方で、成績を伸ばす前提条件がそろっていない児童生徒もいます。もちろんそうした児童生徒でも、できる限り学力をつけられるように最善の努力をします。それでもその児童生徒は偏差値の低い学校に進学するかもしれません。でも私は、そうした児童生徒がどこに進学するにしても、そこに至るまでに悩んだりする過程が大切だと思っています。
なにせ、人生100年時代です。15年や18年の間での結果で人生が全て決まってしまう、という考え方がおかしいのです。ならば、後の人生でも学び直しができるように、学びの過程を重視した方が良いのではないでしょうか。
私が指導した生徒の進路先の学校の偏差値は、30~60台までと様々です。合格も不合格もあります。ただ、私は結果よりも過程を重視しています。ですので、どの学校に進んでも、それまで歩んできた過程を何より大切にしてもらいたいのです。
これが私が合格実績をネットでは公表しない第一の理由です。
また、成績が伸び悩む児童生徒も成績が良い児童生徒も、よく観察すると、互いの弱点を克服するのに役立つヒントが得られることが多いです。ですので、様々な児童生徒を担当させてもらいたいのです。
例えば、発達障害との診断を受けた、成績の低い児童生徒がいたおかげで、「空間認識能力」というものが学習能力に与える影響を知り、そのことがナンバースクールを受験する生徒の弱点(数学の図形問題)を補うのに役立ったこともあります。
これが私が合格実績をネットでは公表しない第二の理由です。
もちろん、個々の児童生徒やその保護者との直接的なコミュニケーションの場では、その児童生徒の進路に役立つ情報として、それまでどのような児童生徒を担当し、どこに進学したかはお伝えします。

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