入試問題での作文/小論文の書き方(修正再掲)
- 家庭教師のMIC
- 2月13日
- 読了時間: 3分
更新日:2月15日
日本の国語教育における大きな問題に、作文や小論文の書き方をきちんと教えていないことがあります。
小学生のころから作文を散々書かされてきても、ただ評価がつけられるだけで添削をされません。それが大学まで続きます。
その結果、自分の文章のどこが評価されて、どこが評価されなかったのかが全く分からず、自分で推敲をやりようがありません。
そういう背景があるので、私は生徒の作文や小論文を、徹底的に赤ペンで添削します。作文の技術の細かい部分はどうしても添削でしか指導できません。

ですので、ここでは細かな作文技術については説明せず、大まかな作文の書き方を示します。
作文や小論文の構成について、ハンバーガーをイメージするように指導しています。上下のバンズが具を挟むイメージです。つまり、起承転結のうち、「初めに」が「起」=上のバンズ、「次に」が「承転」=具、「最後に」が「結」=下のバンズになるイメージです。
「初めに」のバンズでは、「これから書くこと」を示します。問題が賛成か反対か、であれば、賛成だ、あるいは反対だ、と明示してしまいます。
「次に」の具では、「これから書くこと」で示したことを、詳述します。つまり、「初めに」で書いたことの根拠を論理的に説明していきます。この際に、具体例を挙げつつ、2つぐらいのことを書くとよいでしょう。ハンバーグだけでなく、他の野菜なども具には必要ですよね(野菜嫌いだから要らない、とか言わない!)。
「最後に」のバンズでは、「これまで書いたこと」をまとめて結論をはっきり書きます。ですので、内容は「初めに」で書いたことと同じです。でも、書き方は変えてください。上下のバンズが同じだったら、あんまりハンバーガーを食べたいと思いません(お米バーガーは?という突っ込みはしない!)。
そういう作文の構成のイメージを持っていると、「論理的文章は」書きやすいです。

注意しておきたいのは、「字数稼ぎ」だけは絶対にしない、ということです。「字数が足りない」という状況に陥ったら、それは説明不足で、相手に伝わるように自分の主張を書けていないだけです。
前の文と後ろの文のつながりや、接続詞の使い方、主述と目的語、述語の関係などをしっかり確認し、丁寧に説明することを心がけると、字数はあっという間に足りなくなります。
宮城県の公立高校の入試問題ですと、作文は160~200字と設定されています。これは、「200字以内に字数を削れ」という意味です。大学入試だと、その大学によって文字数は600~1000字くらいと差がありますが、同様に、その字数以内に字数を削れ、という意味です。
しかしそのように丁寧な書き方は、最初から誰にでもできる、というわけではありません。やはり、文章を添削してもらうことを繰り返さないと、作文を書く能力は中々上達しません。
もっとも、ここはどういう意味か、ということを一つ一つ丁寧にやり取りして文章を書き直す作業というのは、生徒にとっては自分の身を切られるような辛さがあります(ですので、添削をする際には事前に必ず生徒に、「死にたくなるけど、死なないでね(*^_^*)」と断っておきます)。
それでもその辛い作業を繰り返すと、確実に文章執筆の能力は上がっていきます。
ただし、どんなに優秀な書き手であっても、完璧な文章というのはあり得ません。ましてや、時間の限られた試験中では、ある程度の妥協をしつつ書かなければならなくなります。
それでも事前に作文や論文の執筆訓練と添削とを繰り返していけば、本番でもより良い文章が書ける可能性が大きく高まることは間違いないでしょう。
コメント