よく学ぶためにはよく遊ぶ必要がある(空間認識能力)
- 家庭教師のMIC
- 2022年12月13日
- 読了時間: 3分
更新日:2023年2月2日
「この子はなぜ授業も聞いていて、やるべきことをやっているのに、成績につながらないのだろう?」と思う児童生徒が必ずいます。こういう児童生徒にどれだけ「努力」を強いても、中々成績が上がりません。
最近気づいたことで、「努力しても成績が上がらない児童生徒」の特徴の1つに、空間認識能力が低い、ということがあります。
空間認識能力とは、「物体が三次元空間に占めている状態や関係を、すばやく正確に把握、認識する能力のこと」です(wikiより)。
空間認識能力が高い人の分かりやすい例は、『黒子のバスケ』の伊月のイーグルアイです(その上のホークアイもありましたが、動画が見つからなかったので…)。
これは、自分の存在を空間の中で相対化して客観視する能力です。
そんなのは、スポーツで使われるものであって、学校の学習には全く関係ないのではないか、と思われるかもしれません。しかし違います。
まず、分かりやすい例を挙げると、数学の空間図形の問題は、まず空間図形を頭の中に想像することができなければ、解くことが困難になります。その空間図形を頭の中で想像する能力こそが、空間認識能力です。
試しに、正四面体を頭の中に思い浮かべ、赤、青、黄、緑の色に塗って、回転させてみて下さい。頭の中で回転させられる人は空間認識能力が高く、数学でもよい成績を残しやすいでしょう。

では、空間認識能力が高い人はなぜそんな器用なマネができるのでしょうか。
それは、見たものの残像をしっかりと把握し、次の状況を予測できるからです。
次の動画をご覧ください。あのサッカーの元日本代表の本田圭佑さんによる空間認識能力(空間認知能力)のトレーニングの様子です。
残像をどれだけ脳裏に残すか、のトレーニングです。
この空間認識能力が他に及ぼす教科として真っ先に挙げられるのは、国語です。というのも、どうも空間認識能力が劣っていると、漢字を中々覚えることができないようだからです。
日本の国語のややこしいところは、表音文字のひらがな・かたかなと、表意文字の漢字が混ざっていることです。つまり、国語の読解には、表音文字を認識する能力と、表意文字を認識する能力と、2つの能力が脳に求められます。
そのうち漢字は象形文字に始まっているので、漢字を覚えられるかどうかは、空間認識能力に直結します。ですので、どれだけ漢字を練習しても覚えられない場合には、空間認識能力が劣っている可能性を疑った方が良いです。
また、空間認識能力が劣っていると、地図が読めないので、どうしても社会教科で不利になってしまいます。

では、空間認識能力というのは、どうやって鍛えることができるのでしょうか。
そのためには、ボール遊び、折り紙、お絵描き、ブロック遊びなどが挙げられます。つまり、それまでの状況の残像を残しつつ、次の状況を予測することが鍛えられる遊びです。
要するに、しっかり遊んでおくということは、空間認識能力を鍛えることにつながり、やがては学力向上の糧になるということです。
ただし、「遊ぶ」と言っても、スマホやインターネットの遊びで空間認識能力が高まるとは思えません。地図を見るにせよ、ネットでは東西南北を無視した地図になってしまいます。
結局は、ネットの情報から遮断された状況で、思いっきり体を動かして遊ぶことが、やがては学習効果につながるというお話でした。何より身体が鍛えられます。

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