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「境界知能」の問題

  • 執筆者の写真: 家庭教師のMIC
    家庭教師のMIC
  • 2023年9月18日
  • 読了時間: 2分

更新日:2023年11月12日

ご家庭から児童生徒の知能テストの結果について見せて頂き、ご相談を受けることが多々あります。(その度に、自分の勉強不足を恥じるばかりなのですが…)


最近しっかりと認識しておかなければならないと思うのは、「境界知能」の問題です。


境界知能とは、おおよそ「ふつう」とされる知能指数85~115の人たちに対して、70~85にある人たちのことです。


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私はそうした児童生徒に複数接しています。発達障害を兼ね合わせた児童生徒もいます。


共通しているのは、境界知能の児童生徒は、「知的障害」では無いだけに、まわりから「ふつう」の行動ができるだろうと期待され、支援学級や支援学校に入ることもできず、かといって普通学級に適応することもできずに、その狭間にいて苦しんでいるということです。


こうした児童生徒は、例えば5教科では適応できる分野では高い成績を残しても、適応できない分野では著しく低い成績を残したり、そもそも学校での集団行動に馴染めずに不登校気味になったりしています。


しかも知能指数は知能テストの4分野からの総合的な判定で出されるので、「境界知能」といっても個々の児童生徒によって現れる問題は全て異なります。


「知的障害」であれば、周りからも「そうだ」と認識されて、それなりの配慮も期待できます。ところが「境界知能」であると、周りからは「ふつう」だからと、能力を超えた「ふつう」の行動を期待されてしまい、当事者を追い詰めてしまっているようです。


そう書きながら、私も追い詰めてきた当事者の一人であると反省してしまいます。でも境界知能だから「できない」と最初から諦めるべきでもない、とも理解しています。「ふつう」の指導をしていても、成果を出せる分野も少なくありません。


要するに、周りの人たちからは「分からない」苦しみが多い児童生徒たちだ、ということは理解できました。


ですので、私は自分の指導方針や、学習指導要綱が「正しい」ものとして押し付けずに、その児童生徒がやっても良いと思うことや、絶対にやりたくないことを丁寧に聞きながら、可能性のある部分を伸ばしていきたいと思っています。


そういうすそ野のニーズ(といっても10%以上もいるのですが)を開拓する私立高校も現れてきました。中学校や大学でも、そういうニーズを掘り起こしていく学校が現れることを期待するばかりです。

 
 
 

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