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自閉症スペクトラムの成功(?)例 『シュヴァルの理想宮』

  • 執筆者の写真: 家庭教師のMIC
    家庭教師のMIC
  • 2020年2月20日
  • 読了時間: 2分

更新日:2020年8月8日

先日、映画『シュヴァルの理想宮』を観てきました。

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「シュヴァルの理想宮」は南フランスに実在する、フランス政府認定の唯一の素朴派の建築物です。現在でも有名な観光地になっています。



これを建築したのは、芸術家でも建築家でもありません。なんの建設の知識もない一介の郵便配達員シュヴァルが33年間をかけて、一人で創り上げました。



興味深いのはシュヴァルの特性です。

・人とのかかわり合いが苦手

・言葉でのコミュニケーションが苦手

・他人に対する噂話に興味を持たない

・人よりもモノに興味を示す

・空想好き

・関心事にはとことんのめりこむ

・単純作業が得意(1日30Kmの徒歩での郵便配達を30年間も=地球5周以上)

・物事を一人で決める

・偏食

・金銭的感覚が欠落



恐らく現代であれば、自閉症スペクトラム障害と診断されたでしょう。



シュヴァルは家庭的にも不遇でした。そんな彼が理想宮の建築を成し遂げられたのは、再婚相手のフィロメーヌの理解と受け入れ(あきらめ?)があったからでした。時折キレていますけど。何の相談もなく畑を潰して宮殿を造り始めたら、そりゃキレます。



また、シュヴァルにとって宮殿の建設は娘のアリスとのコミュニケーションを図る媒体ともなりました。さらに、新聞報道で理想宮の存在を知った芸術家たちにその価値が認められることによって、シュヴァルは次第に自信を持つとともに、社会性を身に着けていきました。



それもフィロメールがシュヴァルの特性を理解していればこそでした。シュヴァルがフィロメールに送った、「私を発見してくれてありがとう」という言葉は、何よりそのことを表しています。



家庭教師という仕事は、児童生徒さんに一生涯寄り添う仕事ではありません。しかし、頂いた時間の中で、児童生徒さんの特性を発見しその長所を伸ばすことで、短期的には成績を向上させ、長期的には自信をもって社会生活を送っていけるように心がけたいです。

 
 
 

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