「やる気がない」理由
- 家庭教師のMIC
- 2023年11月6日
- 読了時間: 5分
更新日:2023年11月14日
「ウチの子はどうして勉強をやる気がないの?」と悩み、ついつい「やる気を出しなさい!」と叱ってしまう保護者の方も少なくないと思います。
しかし、「やる気がない」理由は様々なので、対処法も様々です。
①興味関心がない場合
そもそも学習に面白みを感じられないと、学習をすることに気乗りがしません。反対に言えば、学習に面白みを感じられれば、児童生徒は勝手に学習をします。
では、児童生徒に学習に面白みを感じさせるためにはどのようにしたら良いのでしょうか。
1つの方法は、保護者の方がまず知的好奇心でワクワクしている姿を見せることです。検定試験の勉強でも良し、読書でも良し、テレビの教養番組でも良し、映画でもドラマでも良し。そこで得られた知識に対して、喜びを児童生徒の前で現わして見てはどうでしょうか。
それが無理であるならば、そういう知識を得ることの喜びを教えてくれる指導者に頼ってみるのも、さらに1つの選択肢です。
②目的意識がない場合
学習をする目的意識が無ければ、学習に意欲が湧かないのは当然です。ですので、学習をする「やる気」を出すためには、目的意識を持つことが大切です。
その目的意識は、別に将来どの企業に就職するだとか、どんな職業に就く、だとか、大きな長期的目標に向けてでも構いませんし、次のテストで前よりも良い点数を取る、などの小さな短期的目標に向けてでも構いません。
長期的目標を持つべきか、短期的目標を持つべきか、あるいは、現実的利益を目標に絡めるべきか、などは、個々の児童生徒によって向いているものは異なります。
③心身に病気を抱えていたり、怪我をしている場合
心身に病気があれば、当然に学習の妨げになります。というよりも、学習よりも心身の健康を優先してください。
一時的な病気であれば、まずはその病気を回復することに集中しましょう。慢性的な病気であれば、学習に取り組めるような、安定的な状態を作ることにまずは専念しましょう。怪我の場合も同様です。
厄介なのは、心身の病気に本人も周りも気づいていない場合です。「やる気がない」原因が心身の病気である場合もありますので、保護者の方にはこれに留意してもらいたいですし、私もそのことを失念しないように心がけています。
④学校の環境に問題がある場合
学校で先生や児童生徒間の人間関係にトラブルを抱えていたり、そもそも学校の仕組みに無理があるために、学校の環境に馴染めない場合も、学習に向かう意欲を失う原因になります。
重大な事態であれば、児童生徒の命に関わる場合もありますので、適切な相談相手を見つけて解決を図ることが大切です。
ただし、人間関係のトラブルを体験しながら人は成長していくものです。ですので、心身に著しい異常を与えない程度の軽い事態であれば、保護者の方は過敏に反応せずに、成長過程の1つだ、と見守って待つ心構えも必要だと思います。
また、教師やカリキュラムとの相性は、個々の児童生徒によって全て異なります。教師との関係でトラブルが生じている場合に、教師に重大な落ち度がなければ、ある程度その教師に期待することを諦めて我慢することも必要です。
その場合には、塾や家庭教師、あるいはYoutubeなどのオンライン学習教材に頼って、授業を楽しませてくれる相手を見つけると良いでしょう。
⑤家庭環境に問題がある場合
安心できる家庭環境が整っていないと、児童生徒は集中して学習に向うことができなくなる可能性が高まります。
児童虐待は論外ですが、それ以外にも生活リズムの乱れは、児童生徒の学習意欲に影響を与えます。
まずは、早寝早起きを心がけ、必ず朝食を食べさせるようにしましょう。お腹が空いて栄養が不足していたり、寝不足で眠かったりすれば、集中して学習に取り組むことなどは、そもそも不可能です。
⓺発達障害や知能障害の場合
明らかに行動に異常が見られる障害を持っている児童生徒であれば、①~⑤の問題ではなく、児童生徒本人の特性に問題があるために、学習に向わない、ということが分かります。
その場合には、発達障害や知能障害が疑われます。これは、専門の医師に頼るしかありません。
ただし、人の知能に関する知見というのは、まだまだ研究途上であるので、専門医が全てを解決してくれるとは思わないでください。
また、普段のコミュニケーションでは問題を感じないけれども、学習となると、全く別人のように問題が生じる場合もあります。その場合には、知能検査を受けてみることをお薦めします。
知能検査は万能ではありませんが、ある程度その児童生徒の特性を知る手掛かりになります。もしかすると「やる気がない」のは、脳機能の問題であるかも知れません。
こうした児童生徒に対して、私が家庭教師としてやるべきだ、と思っていることは、専門医の意見を参考にした上で、当該の児童生徒が可能である学習を、楽しく一緒にやってみることです。
こうした児童生徒は、そもそも身体上の機能の制限によって、他の定型発達者よりもできることが限定されています。しかし、だからと言って何もできないわけではありません。
こうした児童生徒の場合には、児童生徒の話をよく聞き、児童生徒をよく観察し、その児童生徒ができることを探ることが家庭教師の役割だと、私は思っています。
他にも児童生徒の学習意欲がない場合はあるでしょう。私は生徒が「やる気がない」と言っている場合には、本人を責めるよりも、その「やる気がない」原因を探り、一緒に対処法を考えるように心がけています。

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